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「人と違う」子どもをサポートする、5つの支援

26 分前
読了時間: 18分

「個性」につけられる「ラベル」

人には、いろんな個性があります。

それって当たりまえのことのはずですが、世の中には、「大多数と違う」「普通ではない」人に対してつけられる「ラベル」がたくさんあります。


いくつかの例をあげましょう。

・医者に行ったときに付けられる、発達・神経発達系の診断名には、ASD、ADHD、DCD、DLDなどがあります。

・特定の学習だけが著しく難しい子には、LD/SLD、ディスレクシア、ディスグラフィア、ディスカリキュリアなどの言葉で表現されることがあります。

・知的能力や認知能力の特徴を表現する言葉には、知的障害、境界知能、ギフテッドなどの言葉があります。

・また、上記の複合体として、2E(Twice Exceptional; 直訳すると、「2重に例外的」)という、高い能力と何らかの困難が共存した状態を表す言葉もあります。

・情緒的な面、感覚的な面にフォーカスを当てると、HSP、場面緘黙、不安症、チックなどの症状として語られることもあります。

・これらとセットで出てきやすい「状態」として、不登校、登校しぶり、グレーゾーン、鬱などといった学校や社会との関係を示す言葉もあります。

※     これらの詳しい意味は、本ブログ最後に「付録1」として示します。


こんなにも多くのラベルがあるのは、「違い」を普通のこととして受け入れられない社会の裏返しです。「違い」に対して不寛容な世の中、「普通」であることに対して同調圧力を感じる世の中を反映しているのではないでしょうか?


「インクルーシブ(多様性の包摂)社会」 教育場面での、実現の方向性

「インクルージョン(多様性の包摂)」という言葉も広まりつつあり、次期学習指導要領に盛り込まれるキーワードの1つにもなっています。要は、ラベルを付けて、区分けして、特別に扱うという考え方から、1つの社会の中に様々な人がいることを前提に、みんなが気持ちよく過ごせることを目指すという大きな動きが始まっています。


私たちは、「学校の標準的な評価軸では才能が見えにくいご家庭(親と子)」を支援したいと考えています。そう考えると、診断名のような「ラベル」で分類するよりも、「その子のプロフィール」を理解する方がよいと思います。


「この子は何という障害か?」

ではなく、

強みは何か困難は何か興味は何かどんな学び方をするか? 環境とのミスマッチは何か?

という目で物事を見ていくということです。


こう考えると、このような物事の見方は、世の中の大多数に合わせられずに苦労している子どもだけでなく、どんな子にとっても、必要な観点であることがわかるのではないでしょうか?

4つの支援

さて、「うちの子は、なにか普通とは違うみたい」と気づく場面があったりしますよね。

それは、幼稚園や小学校の先生から起こった出来事を告げられた(呼び出される)時に気づくこともあります。家庭の中の様子を観察していて気付くこともあります。そして、親や親戚、子育てでつながっている友人(ママ友、パパ友)などと話しているときに、もしかして「〇〇ちゃんって、※#$&なんじゃない?」みたいなことを言われたり。それで、ちょっとネットで調べてみると、これってまさにうちの子のこと?みたいな説明が見つかったりもするものです。


そうすると、なんとかしないと思うので、誰かに相談したくなります。

メジャーなのは、以下の4種類です。

教育の専門家は、その子に合った学び方や環境を考えてくれます。

心理の専門家は、その子の感じ方や考え方、行動の背景を理解する手助けをしてくれます。

医学の専門家は、心や身体、発達の状態を見ながら、安心して生活できる土台を支えてくれます。

発達支援の専門家は、相談、情報提供、医療・教育・福祉との連携を担います。

※     どんな人に相談できるのかの詳細は、本ブログ最後に「付録2」として示します。


このような専門家に相談することで、助けになることも多いですが、それだけでは問題が解決しないこともあります。


たとえ話をしましょう。

「おたま」と、「爪切り」と、「金づち」と、「包丁」があったとします。

おたまは、みそ汁をお椀に盛るときに、便利な道具です。

爪切りは、爪を切ることに特化した道具で、これなしに爪を切るのは、かなり大変でしょう

金づちは、釘を打つのになくてはならない道具です。

包丁は、食材を切る作業を圧倒的に楽にしてくれます。


でも、おたまでは爪は切れないし、爪切りでは釘は打てないし、金づちでは食材は切れないし、包丁ではみそ汁をお椀には盛れません。それぞれの道具には、それぞれの役割があるのです。


ここにネジがあったとしましょう。その場合、4つの道具が手元にあったとしても、ネジを締めることはできません。ネジを締めるには、「ドライバー」という別の道具が必要なのです。


同じように、教育の専門家、心理の専門家、医学の専門家、発達支援の専門家は、それぞれになくてはならない機能を果たしていますが、それだけではできないこともあります。


それが「才能開発」です。

医学 →「障害は何か」

心理 →「どんな認知・心理特性か」

(特別支援)教育 →「困難にどう配慮するか」

発達支援 → 「関係機関がどう連携するか」

までは比較的充実しています。


しかし、

「この子の突出した才能は何なのか?」「それをどう社会につながる力へ育てるのか?」「この子が将来、どんな場所なら活躍できるのか?」

を継続的に一緒に考える専門家は、かなり少ないのです。


5つ目の支援:才能開発

目の前にネジがあるのに、締めるための道具(ドライバー)がない。そのような、状況をなんとかしようと考えているのが「才能開発」という観点です。


先日(2026年9月)に、日本才能研究学会という組織の第1回大会が開かれました。それが示すことは、「才能開発」の分野は、注目されつつあると同時に、これまで未開拓であったということです。


・我が子の才能を伸ばしたいと願っているけれども、既存の学校教育の枠組みの中では、輝けないお子様をお持ちのお母様、お父様

・様々な専門家に頼ってはみたものの、得られる支援は、才能を伸ばすためのものではなかったとがっかりしているお母様、お父様


これまでに、様々なことを試しても、うまくいかなかったとしても諦めることはありません。「ドライバー」を手に入れたとたんに、簡単にネジを締めることができるのと同様に、「才能開発」のための道具を手に入れればよいのです。


道具は、お母さま、お父様向けに作られています。つまり、お母さま、お父様が我が子の才能開発の先生になるということです。


道具を使いこなすのにも、技能はいります。つまり、多少の練習は必要です。そして、練習すればするほどに、スポーツや楽器と同様に上達しつづけます。しかし、重要なのは、そこではなく、道具を手にした瞬間に、今までには不可能に思っていたことが、可能になるのです。おたまや、爪切りや、金づちや包丁があってもネジを締めるのは不可能でしたが、ドライバーを手にした瞬間に可能になるのです。


我が子の才能を開き、将来に備えるための、必需品なのです。


教育・心理・医学・発達支援の専門家が「困りごと」を支える。そこに才能開発の専門家が加わり、「この子の強みを未来につなげる」。

そんな世界を実現したいと思っています。



※ 子どもイノベーター塾は、TOC(制約理論)の思考プロセスを土台に、子どもが自分の頭で考え、人生を設計する力を育てる教育プログラムです。大人向けに才能開発の先生をつくるプログラムも展開しています。子供向けには、「子どもイノベーター塾 オンライン」を展開しています。


▶公式サイト: https://www.kodomo-innovator.com/

▶note(思想や関連ストーリー): https://note.com/innovator_school

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▶Youtube関連動画(事例プレゼン):https://x.gd/dM9FU


執筆者:飛田基(子どもイノベーター塾 塾長)宇宙飛行士を目指し、米国フロリダ大学で博士号を取得(Ph. D 化学物理学)。科学的思考を世の中に広めることをゴールに、子ども、ビジネスパーソン、教育関係者、スポーツ選手や指導者などに「考える力」を実践指導し、大きな成果をあげている。NPO法人「教育のためのTOC」の最高位資格マスターリードファシリテータ保持者。教員の働き方改革や、公教育プログラムの変革にも取り組んでいる。著書に『世界で800万人が実践!考える力の育て方』(ダイヤモンド社)がある。



付録1:「特別な子」につけられるラベル

大分類

代表的なラベル

一言でいうと

A. 発達・神経発達系

ASD、ADHD、DCD、DLDなど

脳の発達特性

B. 学習系

LD/SLD、ディスレクシア、ディスグラフィア、ディスカリキュリア

特定の学習だけ著しく難しい

C. 知的・認知能力系

知的障害、境界知能、ギフテッド

認知能力のプロフィール

D. 複合型

2E

高い能力+何らかの困難

E. 情緒・感覚・行動系

HSP、場面緘黙、不安症、チック等

感情・感覚・行動に特徴

F. 学校・社会との関係を表すもの

不登校、登校しぶり、グレーゾーン等

診断ではなく「状態」


A. 発達・神経発達に関するラベル

1. ASD

Autism Spectrum Disorder/自閉スペクトラム症

社会的コミュニケーションの独特さ、強い興味、こだわり、感覚特性などを持つ。程度や現れ方が非常に多様なので「スペクトラム」と呼ばれます。

「自閉症」「アスペルガー症候群」「高機能自閉症」など、以前は別々に呼ばれていたものの多くが、現在はASDという大きなカテゴリーにまとめられています。

よく見られる特徴

  • 興味の範囲が非常に深い

  • 暗黙の了解が分かりにくい

  • 集団より一人で活動するのを好む

  • 予定変更が苦手

  • 音、光、匂い、触覚などに敏感

なお「アスペルガー」は現在でも日常語として使われますが、現在の診断体系では基本的にはASDに含まれると考えるのがよいでしょう。


2. ADHD

Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder/注意欠如・多動症

注意を一定方向にコントロールすること、衝動を抑えること、行動を調整することなどに特徴があります。

大きく、

  • 不注意優勢

  • 多動・衝動優勢

  • 混合

という現れ方があります。

「集中できない子」と理解すると不十分です。興味のあることには何時間でも没頭する、いわゆる**過集中(hyperfocus)**が見られる場合もあります。

文科省もADHDを発達障害の主要なカテゴリーとして扱っています。文部科学省ホームページ


3. ADD

以前よく使われた言葉で、多動が目立たないADHDをADDと呼ぶことがありました。

現在は独立した診断名ではなく、

ADHD・不注意優勢型

などとして扱うのが一般的です。


4. DCD

Developmental Coordination Disorder/発達性協調運動症

知的能力に問題がないのに、

  • 字を書く

  • ハサミを使う

  • ボールを投げる

  • 縄跳び

  • 箸を使う

  • 靴紐を結ぶ

など、身体の動きを組み合わせることが非常に苦手な状態です。

「不器用な子」と誤解されやすいのですが、努力不足とは限りません。


5. DLD

Developmental Language Disorder/発達性言語症

知的障害や聴覚障害などだけでは説明できない、言葉の理解・表現の発達上の困難。

例えば、

  • 語彙が増えにくい

  • 長い文章を理解しにくい

  • 考えていることを文章として組み立てにくい

などがあります。


B. 学習に関するラベル

ここは教育業界では特に重要です。

6. LD / SLD

LD

Learning Disabilities/学習障害

日本の教育現場では比較的広い概念です。

文科省は、

全般的な知的発達に遅れはないが、「聞く・話す・読む・書く・計算する・推論する」など特定領域の習得・使用に著しい困難がある

という趣旨で定義しています。文部科学省ホームページ

SLD

Specific Learning Disorder/限局性学習症

医学的な診断概念ではこちらが使われます。

主として、

  • 読む

  • 書く

  • 算数・数学

の特定領域で持続的な困難があるものを指します。精神医学会


7. Dyslexia

ディスレクシア/読字障害

知能や理解力には問題がないにもかかわらず、文字を正確・流暢に読むことに強い困難がある。

例えば、

「話を聞けばすごく理解できるのに、教科書を読ませると極端に遅い」

ということが起こります。

これは教育関係者がぜひ知っておくべき代表的な特性です。


8. Dysgraphia

ディスグラフィア/書字障害

読むことや話すことには問題がなくても、

  • 字を書く

  • 文字の形を再現する

  • スペルを書く

  • 考えを文章として書き出す

ことに著しい困難がある。

「作文が嫌い」「字が汚い」と誤解される場合があります。


9. Dyscalculia

ディスカリキュリア/算数障害

数や数量についての理解に特異的な困難がある。

例えば、

  • 数の大小

  • 繰り上がり

  • 四則演算

  • 時計

  • お金

  • 数量感覚

などの理解が極端に難しいことがあります。

ディスレクシア、ディスグラフィア、ディスカリキュリアはいずれも、SLDに関連する代表的な学習困難です。精神医学会


C. 知的能力・認知能力についてのラベル

10. 知的障害

Intellectual Disability

知的機能と、日常生活・社会生活への適応能力の双方に大きな困難がある状態。

単純に「IQが低い」というだけで決めるものではありません。


11. 境界知能/境界域知能

Borderline Intellectual Functioning

一般に、

知的障害には該当しないが、平均的な認知能力よりかなり低い領域

を指す言葉です。

IQ70〜84程度を目安として語られることが多いですが、IQだけで本人の能力や支援ニーズを決めるべきではありません。

授業内容はある程度理解できるため、本人の困難が周囲から見えにくいことがあります。


D. 「能力が高い側」のラベル

ここはユーザーさんの活動とも非常に関係が深いところです。


12. Gifted

ギフテッド

知的能力、特定学問、創造性、芸術、リーダーシップなど、ある領域で同年代と比べて非常に高い能力・潜在能力を持つ子。

重要なのは、

「IQ130以上=ギフテッド」

だけではないことです。

NAGC(全米ギフテッド教育学会)も、知的能力だけでなく複数の領域における高い能力・潜在能力として捉えています。全米才能ある子供協会

したがって、

  • 数学ギフテッド

  • 言語ギフテッド

  • 音楽的才能

  • 創造性

  • 空間認知能力

など、凸の位置はさまざまです。


13. Highly Gifted / Profoundly Gifted

高度ギフテッド/非常に高度なギフテッド

ギフテッドの中でも、極めて高い認知能力を示す人について使われる言葉です。

ただし、世界共通の厳密な境界がある診断名ではありません。


14. 2E

Twice Exceptional/二重に特別な子

教育分野では非常に重要な概念です。

高い能力・才能を持つと同時に、何らかの障害・学習困難を持つ子

を指します。

例えば、

  • Gifted + ADHD

  • Gifted + ASD

  • Gifted + Dyslexia

  • Gifted + DCD

など。

NAGCも、2Eを「gifted and disabled」と定義しており、ADHD、ASD、学習障害などとの組み合わせを含めています。全米才能ある子供協会

2Eで特に重要なのが、**masking(相殺・隠蔽)**です。

たとえば、

高い知能によってLDをカバーする↓学校では「普通くらい」に見える↓ギフテッドにもLDにも気づかれない

ということがあります。

逆に、

ADHDの困難ばかりが目立つ↓高い知的能力が見逃される

こともあります。

これは2E支援の非常に大きなテーマです。NAGCも、強みと困難がお互いを隠してしまう可能性を指摘しています。全米才能ある子供協会


E. 感覚・情緒・行動に関するラベル

15. HSP / HSC

大人の場合:

HSP = Highly Sensitive Person

子どもの場合:

HSC = Highly Sensitive Child

刺激に敏感で、

  • 音

  • 光

  • 匂い

  • 他人の感情

  • 緊張した雰囲気

  • 強い言葉

などを強く受け取る傾向を表します。

ただし重要なのは、

HSP/HSCは医学的診断名ではありません。

気質や特性を説明する概念です。


16. Sensory Processing Differences

感覚処理特性/感覚過敏・感覚鈍麻

かなり重要です。

感覚過敏

普通の人には問題ない刺激が非常に強く感じられる。

例:

  • 教室のざわざわが耐えられない

  • 蛍光灯がつらい

  • 制服のタグが痛い

  • 食感で食べられない

感覚鈍麻

逆に刺激を感じにくく、

  • 強い刺激を求める

  • 動き続ける

  • 強く身体をぶつける

などが見られる場合があります。

ASDやADHDと併存することも多いですが、それ自体をASDと同一視するべきではありません。


17. 場面緘黙

Selective Mutism

家では普通に話せるのに、

学校ではまったく話せない

など、特定の状況で話すことが非常に難しくなる状態。

「恥ずかしがり」「話したくない」のではありません。


18. チック症/トゥレット症

本人の意思とは関係なく、

  • まばたき

  • 首振り

  • 咳払い

  • 声

  • 特定の言葉

などが繰り返し現れることがあります。

複数の運動チックと音声チックが一定期間続くものなどがトゥレット症として扱われます。


19. 不安症

強い不安によって、

  • 学校に行けない

  • 発表できない

  • 人と話せない

  • 失敗を極端に恐れる

などが起こることがあります。

発達特性とは別ですが、ASD・ADHD・ギフテッドなどと重なることもあります。


F. 診断ではないが、教育現場で非常によく使われる言葉

20. グレーゾーン

医学的な正式診断名ではありません。

通常、

ASDやADHDなどの特徴はあるが、診断基準を満たさない、あるいは診断されていない

人を指して使われます。

かなり曖昧な言葉です。


21. 発達凸凹

これも診断名ではありません。

例えば、

言語理解 140処理速度 85

のように、能力領域間の差が大きい人を説明する際に使われます。

教育では非常に有用な考え方です。

平均IQだけを見ると、

「IQ110なので普通ですね」

となってしまいますが、

本人の中には非常に大きな凸と凹が存在している可能性があります。


22. Neurodivergent

ニューロダイバージェント

近年よく使われるようになった言葉です。

「多数派とは異なる神経・認知特性を持つ人」というかなり広い概念。

例えば、

  • ASD

  • ADHD

  • Dyslexia

  • DCD

  • Tourette

などを含めて語る場合があります。

対になる表現が、

Neurotypical(ニューロティピカル/定型発達)

です。

これも医学的診断名というより、多様性という観点から人を見るための言葉です。


23. 不登校

これは特性でも診断でもありません。

学校に通っていないという状態を示す言葉です。

したがって、

ASDだから不登校

とは限りません。

不登校の背景には、

  • ASD

  • ADHD

  • 2E

  • Gifted

  • Dyslexia

  • 不安

  • いじめ

  • 人間関係

  • 学校が簡単すぎる

  • 学校が難しすぎる

など、まったく異なる原因があり得ます。


全体を「ラベル・マップ」として整理すると、こんな感じです。


                                                 子どもの多様性

                                                │

                  ┌─────────┼── ───┐

                  ↓                           ↓                ↓

             困難・障害                能力・才能       学校との関係

                  │                           │                │

   ┌────┼────┐        Gifted          不登校

   ↓       ↓      ↓                   ↓               登校しぶり

 ASD  ADHD  LD           Highly Gifted

                         │

       ┌─────┼─────┐

       ↓               ↓               ↓

   Dyslexia Dysgraphia Dyscalculia

             \                    /

              \                  /

                       2E

             「才能」と「困難」を

             同時に持つ子ども


ここにさらに

DCD・DLD・感覚過敏・場面緘黙・不安

などが周辺に入ってきます。


付録2:子どもの発達に関して困ったときの相談先

1. 教育の専門家

教育側の主な役割は、**「この子をどう学ばせるか」「学校環境をどう調整するか」「強みをどう伸ばすか」**です。

メジャーな肩書・立場

主な所属先

相談できること

特別支援教育コーディネーター

小中高校、特別支援学校

ADHD、ASD、LD等を踏まえた学校内の支援調整、先生・保護者・外部機関との連携

特別支援教育担当教員

通常校、特別支援学級、通級指導教室

学習方法、授業参加、教材・課題量などの具体的調整

通級指導教室の教員

小中高校

LD、ADHD、ASD等の特性に応じた個別的な学習・社会性支援

特別支援学校の教育相談担当

特別支援学校

発達特性、学び方、学校での支援方法についての相談

教育相談員・教育相談担当

都道府県・市区町村の教育センター、教育相談室

学校適応、学習、不登校、発達に関する教育相談

ギフテッド教育・才能教育の研究者/実践者

大学、民間教育機関、研究団体

高い知的能力、突出した興味、学習の加速・深化、才能開発

学校管理職・担任

学校

実際の授業、クラス、課題、評価方法の調整


特に重要なのは特別支援教育コーディネーターです。学校内だけで解決せず、外部の医療・福祉・心理機関との橋渡し役にもなります。特別支援学校には、地域の学校や保護者に助言する「センター的機能」も制度上位置づけられています。文部科学省ホームページ


ただ、2Eの場合には注意点があります。

通常の特別支援教育はどうしても、「できない部分をどう支援するか」に強い一方で、

「ものすごくできる部分をどう伸ばすか」は必ずしも専門ではありません。

ですから2Eでは、特別支援教育+ギフテッド/才能教育

の両方の視点を持つ人が理想です。


2. 心理の専門家

心理側の役割は、「この子の頭の中では何が起きているのか」を理解することです。

メジャーな肩書

主な所属先

得意領域

公認心理師

病院、クリニック、学校、教育相談機関、発達支援機関

心理評価、発達相談、心理支援

臨床心理士

病院、学校、心理相談室、大学等

心理検査、カウンセリング、発達・情緒面の評価

スクールカウンセラー

小中高校

学校生活、不登校、対人関係、不安、保護者相談

発達心理の専門家

大学、研究機関、発達支援センター等

認知発達、社会性、言語、発達特性

教育心理の専門家

大学、教育センター

学習、動機づけ、認知、学校適応

心理検査を専門とする心理職

医療機関、発達相談機関等

WISC等による認知プロフィールの把握


WISCなどの心理検査の解釈も重要で、「全検査IQだけで見ない」ことが重要です。

たとえば、

言語理解 140知覚推理 135ワーキングメモリー 100処理速度 80

という子がいたとします。


平均値だけで、

「IQは115ですから、それほど特別ではありません」

と見るのと、

「非常に高い推論能力と、処理速度との間に大きなギャップがある」

と見るのとでは、支援方針がまったく変わります。


認知プロフィールの凸凹がある場合には、これを読み解ける心理職が非常に重要です。

公認心理師は現在、保健医療・福祉・教育など幅広い領域で活動しており、日本公認心理師協会にも教育分野や子どもの発達支援を専門とする部門があります。日本公認心理師協会


3. 医学の専門家

医学側の役割は明確で、診断、医学的評価、併存症の把握、必要な治療です。

メジャーな肩書

主な所属先

主に診るもの

小児科医

小児科、総合病院

子どもの発達全般。最初の入口になることが多い

発達を専門とする小児科医

発達外来、療育センター、こども病院

ASD、ADHD、LD、発達遅延など

小児神経専門医

大学病院、こども病院、小児科・小児神経科

発達、言語、行動、知能、神経系の問題

児童精神科医

児童精神科、大学病院、子どもの心の専門外来

ASD、ADHD、不安、抑うつ、強迫、学校不適応等

精神科医

精神科・心療内科

思春期以降の精神症状、ADHD・ASD等

小児心療内科医

小児病院、大学病院など

不登校、身体症状、ストレス、心身症など

とくに小児神経専門医は有力な相談相手です。

日本小児神経学会は、小児神経専門医を、子どもの「運動、知能、感覚、行動、言葉やこころ」の問題を扱う専門家と位置づけています。発達障害を診療する医師の名簿も公開しています。一般社団法人 日本小児神経学会

つまり、

  • ADHDなのか

  • ASDなのか

  • LDがあるのか

  • DCDなのか

  • チックがあるのか

  • 睡眠の問題があるのか

  • 不安症や抑うつが併存していないか

などを医学的に整理するところです。


4. 実は「教育・心理・医学」に加えて、もう一つ大きなカテゴリーがあります

それが福祉・発達支援です。

分野

代表的専門家・組織

教育

教員、特別支援教育コーディネーター、通級、教育センター、ギフテッド教育専門家

心理

公認心理師、臨床心理士、スクールカウンセラー、発達心理専門家

医学

小児科医、小児神経専門医、児童精神科医、発達外来

福祉・発達支援

発達障害者支援センター、児童発達支援、放課後等デイサービス、相談支援専門員、言語聴覚士、作業療法士

特に発達障害者支援センターは覚えておく価値があります。

全国の都道府県・指定都市に設置されていて、相談、発達支援、情報提供、医療・教育・福祉との連携を担います。施設によっては、社会福祉士、公認心理師・臨床心理士、言語聴覚士、精神保健福祉士、医師などが配置されています。厚生労働省

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